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<うま味>は「悪」か?グルタミン酸ナトリウムのはなし

私の父は、うま味調味料を使うのを異常に嫌がります。

何でか聞いてみたら、

「石油からできてるモンは食べたくねぇやな~」と。

んなアホな( ̄0 ̄;)石油からできてるワケないじゃん!と言っても、その認識がやたら固くて耳を貸しません。

とはいえ味に敏感であるわけではないので、父の見ていないところで母も私も料理に使いますが気づかずに食べます(笑)だって何かと便利なんだもーん。

目の前で振りかけられるのが嫌みたいです。

 

「うま味調味料が石油からできてる」

どこからこんな都市伝説が生じたのか分かりませんが、製法を確かめたところやっぱり真実ではありませんでした。そりゃそうだ。

うま味調味料、ここでは「グルタミン酸ナトリウム」を取り上げたいと思いますが、昆布だしのうま味成分です。

自然由来のうま味成分のはずなのに。。

石油からできてるという話はさすがにグンマー旧時代ですが、今でもうま味調味料は体に良くないんじゃないかと色々と噂が立つのには、何か理由があるんだろうか。

あれこれ、それこれ、考えてみました。

 

◆発端のひとつ?―「中華料理症候群」とは◆

―米国ボストン近郊の中華料理店で食事をとった際、食後に特定の一過性の症状(しびれ感、だるさ等)が現れた―

Kwok氏がこのように報告したためにこの名前が付いた。

その後、ワンタンスープに大量に使用されたL-グルタミン酸ナトリウムが原因ではないかと疑われ、種々の臨床試験が行われた。

 

え。うま味成分で、しびれやだるさ?!(゜ロ゜)

真偽やいかに。

 

―症状:空腹時に多量のL-グルタミン酸ナトリウムを食べた後、15-25分を経て、一部の過敏な人で、灼熱感・顔面圧迫感・胸痛が起こり、約1時間以内で収まると報告されている。

 

むむむ。で、気になる臨床試験の結果は?

 

―しかし臨床試験の結果、

■この症状は主観的かつ一過性のもので、客観的指標上の変化(血圧、心拍、心電図、血中グルタミン酸レベルなど)は認められていない。

■二重盲検法による厳密な検討結果では、3.0 – 4.4 gのグルタミン酸摂取では、発症と摂取との関連性は認められていない。

 

これを見る限り、中華料理を食べて生じた症状とグルタミン酸ナトリウムとは、「調べたらやっぱり直接的関係はありませんでした!」という結論に収束したように見えます。

 

でも、当時の様子を想像するに、

中華料理を食べたらこんな症状が出た!

グルタミン酸ナトリウムが原因だって!

この情報が主に報道されて人々に知れ渡り、肝心の臨床試験の結果というのはあんまり報道されなかったのではないかと思います。だから、人々の中で「グルタミン酸ナトリウムが体に害を及ぼす可能性がある」という最初の情報が、最新の事実にアップデートされずに残ってしまっている部分があるのではないかと予想ができます。

 

◆グルタミン酸ナトリウムの安全性評価◆

科学的な検証、評価。添加物としては実際どうなのか。

分類としては、「風味増強剤」にあたります。醤油にも、7~9%存在しています。

グルタミン酸は必須アミノ酸ではありませんが、生体内においてアミノ酸、たんぱく質の代謝に極めて重要な役割を果たしています。

以下、安全性評価の抜粋。

■亜急性毒性(ラット):病理組織学的異常所見なし。学習能力異常なし。

■慢性毒性(マウス、ラット):発ガン性は見られず、異常なし。

■催奇形性(ウサギ):有意差なし。催奇形性は認められず。

■変異原性:陰性

■特殊毒性(幼若動物に対する影響):大量皮下注射により一部病変が起こる報告あり。高等動物での病変なし。

食品添加物としてここまで優秀な選手はなかなかいません✨

特に「だし」の文化が発展した日本人にとっては、グルタミン酸ナトリウムは昔から食に定着してきた成分だし、長期的な安全性は保証付きと言えます。

 

◆それでも<うま味>は「悪」なのか◆

グルタミン酸ナトリウム自体には、何ら問題はないように見えます。では、中華料理症候群を訴える人の症状は単なる気のせいか?そのような症状が出ている事実を、どう説明すればよいのか。

私が思うに、この事象は現代社会の食文化に向けた一種の「警鐘」ではないかと思うのです。

 

グルタミン酸ナトリウム、かつては昆布から「だし」を取ったりすることで、家庭の調理の中で摂取してきました。

しかし、大量生産・大量消費の時代になり、

「いかに同時に大量に安価に生産できるか」

食品メーカーも、大きくなるためにはこの面で勝負をするようになります。

 

現在のグルタミン酸ナトリウムの製法の主流は、「グルタミン酸生産能力のある細菌を用いた発酵法」です。

細菌の発酵によってできたグルタミン酸の水溶液を、水酸化ナトリウムで中和し、精製して析出させます。

 

もちろん、今のグルタミン酸ナトリウムの消費量を考えると、昆布から成分を抽出するのでは手間とお金と時間がかかりすぎます。化学合成でも間違いなくグルタミン酸ナトリウムを得ることはできます。抽出されようが合成されようが、手に入る成分としては同一です。

が…

強アルカリ、触れたら化学熱傷、目に入ったら失明、医薬用外劇物指定の水酸化ナトリウムが食品製造行程に使われている事実には、考える余地があるなぁと思ってしまいました。最終的な製品には残留してはいけないし、残ってはいないけど…事情も分かるけど~~(*_*)

「食品用添加物」と書かれた水酸化ナトリウム溶液20Lのボトルを見るたびに、人間はここまでするようになったかと、何だか複雑な気分になります。

(たまたま職場で、廃液の中和処理用に使っていました)

 

うま味成分そのものというよりは、発展と便利さを追求したこういった食品工業の実態に、神様が「ちょっと待った」とおっしゃっているように感じます。

 

◆私たちにできること◆

良いものを知って良いものを選択し良いものを使う人が増えれば、世の中が良い方に転換していくことは必然的です。

例えばですが、毎日のお味噌汁にうま味調味料を使っていたところを、月に一回だけでも昆布だしに挑戦してみたり。

試しに一度、自然から採ったうま味調味料を選択してみたり。(表示にはコンブエキス、コンブ抽出物、などと書かれています。)

ちょっと手間かもしれない。ちょっと高くつくかもしれない。でも、「便利なもの」だけでなく「自然に近いもの」にも関心を持つことは、私たちの体にとっても有益になるはず。そして、現代社会の食文化にとっても。

 

食文化のあり方を左右するのはメーカーではなく生活現場の選択です。自分は何を選択しているのか。私も見直すきっかけになりました。

自分の「選択」に、まずはほんのちょっとからでも、気を遣ってみてはいかがでしょうか(*^^*)

 

投稿者プロフィール

saku
大学生の時に摂理に出会い、現在は夫と子供たち(5歳3歳)と4人暮らし。
子育てしながら縁あって地元の群馬県に転職、地元企業への技術支援の仕事をしています。
好きなことは食べることとパッケージ裏の成分チェック。食品と、最近は化粧品も見ます☆
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